プログラミング的なSomething

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ITエンジニア(?)目線で生活・自転車・トレーニング話を綴ります

食わず嫌いと重い腰は人生の害悪 「入社10年目の羅針盤」を読んで

百聞は一見にしかず

ビジネス書、とりわけ自己啓発本の部類に入る書籍は「読んでも無駄」だったり「読む前に行動しろよ」とかさんざん論じられている。そんな中、敢えて自己啓発の色が強いビジネス書を手に取る機会はないのだが、これは食わず嫌いではなかろうか……。

入社10年目の羅針盤

入社10年目の羅針盤

個人的な事情だが、4月から会社で異動があり、畑の違う分野の担当となり、いろいろと思うところがあった。そこで目に入ったのが「入社10年目の羅針盤」である。私の勤続年数は10年に届いていないが、配置換えによりある種ターニングポイントを迎えたという意味では、「入社10年目」と似た境遇と言えるだろう。

著者と本書の紹介

著者は岩瀬大輔氏、本書が発行された当時はライフネット生命の副社長だが、今は取締役社長をされており、その他数社の社外取締役も勤めておられる。司法試験をパスしたが外資コンサルに入り、あのハーバード大を経て事業を起こすに至っている。まさに綺羅びやかな経歴の持ち主だ。

そんな方の書籍であるからして、本書の想定読者である「入社10年目を迎えたキャリアに悩める20代後半から30代前半のビジネスマン」に喝を入れるような内容だと勝手に想像していたが、予想は全く外れた。

思わず首を縦に振ってしまうような「上司との付き合い方」。オイオイ、副社長のような立場の人がこれを言ってしまうのかと心配になる「公平公正な評価はありえない」という指摘。プライベートの人間関係は何よりも優先すべきだがそれゆえに「仕事とプライベートは分けて考えるな」と主張するちょっとマッチョな論理展開。やはりひと味違う。

だがしかし、全体とを通してみると突飛なことが書かれているわけではなく、きちんと想定読者に寄り添った岩瀬氏の言葉と、時折差し込まれる彼の経歴の紹介で、本書は一種の自伝のような読み方ができる。自己啓発本を食わず嫌いしていたが、こうして自伝的な読み方をすると、するっと内容が頭に入ってくるのだ。これは良いかもしれない。

効能

思うに、自己啓発本に書いてあることはどれも一緒なんだろうが、一度、読む機会がゼロになってしまうと、「思い出すきっかけ」自体もまたゼロになってしまう。

どこかで読んだような内容だったり、今更言われるまでもないことも、本書には含まれていた。しかし、「自伝的に」「楽しく」、しかも「いつか読んだ自己啓発本で奮い立った何かを思い出すきっかけを得た」意味では、今日私が本書を読めた意味は決して小さくない。

やはり食わず嫌いと重い腰は人生にとって一番の害悪だ。本書を読めて本当に良かった。